印刷における割付とは
印刷における「割付(わりつけ)」とは、文字や画像、図表などを紙面上のどこに、どのような大きさで配置するかを決めることです。
一方、パソコンやプリンターの印刷設定では、複数のページを1枚の用紙に縮小して配置する機能を「割付印刷」と呼ぶことがあります。
そのため、「割付」という言葉は、印刷や出版の現場で使われる意味と、プリンターの設定で使われる意味の2つに分けて考えると分かりやすいでしょう。
紙面レイアウトとしての割付
印刷や出版、DTPの分野では、ページ内に文字、写真、イラスト、見出し、図表などを配置する作業を割付と呼びます。
例えばチラシを制作する場合は、タイトルをどこに置くか、商品写真をどの程度の大きさにするか、説明文や問い合わせ先をどこに配置するかなどを決めます。
書籍や雑誌、パンフレット、カタログなどでも、読みやすさやデザイン性を考えながら各要素を配置します。
現在はAdobe InDesignやIllustratorなどのDTPソフトを使ってレイアウトを作成することが一般的です。
プリンター設定としての割付
パソコンやプリンターで使われる「割付印刷」は、複数のページを縮小して1枚の用紙にまとめて印刷する機能を指します。
例えば4ページの資料を「4ページ/枚」に設定すると、4ページ分の内容が縮小され、1枚の用紙上に並べて印刷されます。
この機能は、プリンターやソフトによって「割付印刷」「集約印刷」「複数ページ」「ページ/枚」「N-up印刷」などと呼ばれます。
名称はメーカーやアプリケーションによって異なるため、印刷設定画面で似た項目を探すとよいでしょう。
参考サイト
割付印刷を利用するメリット
割付印刷を利用すると、複数ページを1枚の用紙にまとめられるため、印刷する資料をコンパクトにできます。
特に確認用資料や会議資料など、大きな文字サイズを必要としない印刷物に便利です。
用紙を節約できる
割付印刷の大きなメリットは、使用する用紙の枚数を減らせることです。
例えば8ページの資料を通常どおり片面印刷すると8枚の用紙が必要ですが、「2ページ/枚」に設定すれば4枚に減らせます。
さらに両面印刷を組み合わせれば、使用する用紙をより少なくできます。
資料をコンパクトにまとめられる
複数ページを1枚に配置すると、資料全体の枚数を減らせます。
会議資料やプレゼンテーション資料、PDFの内容確認などでは、ページを一覧しやすくなる場合もあります。
ただし、割付数を増やすほど文字や画像が小さくなるため、実際に読む用途では見やすさとのバランスが重要です。
インクやトナーを抑えられる場合がある
ページ全体を縮小して印刷することで、原稿の内容によってはインクやトナーの使用量が少なくなる場合があります。
ただし、必ず一定量を節約できるわけではありません。
割付印刷の主な節約効果は、インクやトナーよりも用紙枚数を減らせる点にあると考えるとよいでしょう。
割付印刷の代表的な設定
割付印刷では、1枚の用紙に配置するページ数を指定できます。
対応するページ数はソフトやプリンターによって異なります。
2ページを1枚に割り付ける
「2ページ/枚」に設定すると、1枚の用紙の片面に2ページ分の原稿が縮小されて配置されます。
文字サイズをある程度確保しながら用紙を節約できるため、資料を読むことを目的とした割付印刷では比較的使いやすい設定です。
原稿や用紙の向きによって、左右または上下に配置されます。
4ページを1枚に割り付ける
「4ページ/枚」に設定すると、1枚の用紙に4ページ分が配置されます。
資料の内容を一覧で確認したい場合や、保管用としてページ数を減らしたい場合に便利です。
一方で、元のページサイズによっては文字がかなり小さくなるため、可読性を確認してから印刷することが重要です。
6ページや8ページ以上を割り付ける
ソフトウェアやプリンタードライバーによっては、6ページ、8ページ、9ページ、16ページなどを1枚に配置できる場合があります。
割付数を増やすほど用紙を節約できますが、その分1ページあたりの表示サイズは小さくなります。
大量のページを一覧で確認する用途には便利ですが、細かな文字を読む資料には向かない場合があります。
Windowsで割付印刷を設定する方法
Windowsでは、使用するアプリケーションやプリンタードライバーから割付印刷を設定できる場合があります。
プリンターの機種によって項目名や操作方法が異なるため、以下は一般的な流れです。
印刷画面を開く
WordやExcel、PDF閲覧ソフトなどで印刷したいファイルを開きます。
「ファイル」から「印刷」を選択して、印刷画面を表示します。
プリンターの設定画面を確認する
使用するプリンターを選び、「プリンターのプロパティ」「印刷設定」「詳細設定」などを開きます。
その中から、「割付」「ページレイアウト」「集約」「N-up」「ページ/枚」などの項目を探します。
1枚あたりのページ数を指定する
「2ページ/枚」「4ページ/枚」など、目的に応じた割付数を選択します。
用紙の向きやページの並び順も変更できる場合があります。
最後に印刷プレビューを確認し、問題がなければ印刷を実行します。
参考サイト
Windows 11で1枚の紙に2ページ以上を印刷する方法【割付印刷】|エンジニアの備忘録
Macで割付印刷を設定する方法
Macでも、印刷ダイアログから複数ページを1枚に配置できる場合があります。
印刷画面からレイアウトを選択する
印刷したいファイルを開き、「ファイル」から「プリント」を選択します。
印刷設定の中にある「レイアウト」などの項目を確認します。
1枚あたりのページ数を指定する
「ページ数/枚」に相当する項目から、利用できるページ数を選択します。
選択できるページ数は、macOSのバージョンや使用するアプリケーション、プリンターによって異なります。
また、ページをどの方向に並べるかを変更できる場合もあります。
PDFを割付印刷する方法
PDFでは、プリンタードライバーだけでなく、PDF閲覧ソフト側から割付を設定できる場合があります。
Adobe Acrobat Readerなどを利用する
Adobe Acrobat Readerでは、印刷画面から複数ページを1枚にまとめて印刷できます。
印刷画面で「複数」に相当する設定を選択し、1枚あたりに配置するページ数を指定します。
ページの並び順や向きを設定できる場合もあるため、印刷前にプレビューを確認すると安心です。
ソフトウェアのバージョンによって項目名や画面構成が変更されることがあります。
Wordで割付印刷する方法
Microsoft Wordでは、使用する環境によって1枚あたりのページ数を設定できる場合があります。
Wordまたはプリンタードライバーで設定する
「ファイル」から「印刷」を開き、1枚あたりのページ数を指定できる項目が表示されていれば、希望するページ数を選択します。
Word側に該当する項目がない場合でも、プリンタードライバーの設定から割付印刷を利用できることがあります。
ただし、Wordとプリンタードライバーの両方で割付を設定すると、意図しない縮小やレイアウトになる場合があります。
基本的には、どちらか一方で設定するのが分かりやすいでしょう。
Excelで割付印刷するときの注意点
Excelでは、「割付印刷」と「シートを1ページに収める設定」を混同しないことが重要です。
「1ページに収める」は割付印刷とは異なる
Excelには、「シートを1ページに印刷」や「すべての列を1ページに印刷」といった拡大縮小設定があります。
これは、ワークシートの印刷範囲全体を指定したページ数に収まるよう縮小する機能です。
一方、割付印刷は、すでに複数ページに分かれている内容を1枚の用紙に複数配置する機能です。
どちらも結果として縮小されることがありますが、仕組みや目的は異なります。
割付印刷でページ順を設定する方法
割付印刷では、複数ページをどの順番で用紙上に配置するか設定できる場合があります。
横方向に並べる
4ページを1枚に配置する場合、例えば次のように横方向を優先して並べる設定があります。
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横書き資料などでは、読み進めやすい配置になる場合があります。
縦方向に並べる
次のように縦方向を優先して配置する設定もあります。
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実際に利用できるページ順序は、アプリケーションやプリンタードライバーによって異なります。
右から左へ配置する設定や逆方向の設定が用意されている場合もあるため、印刷プレビューで確認しましょう。
「割付」と「面付け」の違い
印刷分野では、「割付」と似た言葉として「面付け」が使われます。
両者は関連していますが、厳密には意味が異なります。
割付はページ内部のレイアウトを決める作業
印刷や出版における割付は、文字や画像、図表などをページ内のどこに配置するか決めることを指します。
ページそのもののデザインや構成に関する作業と考えると分かりやすいでしょう。
一方、一般的なプリンターでは、複数ページを1枚に配置する機能を「割付印刷」と呼ぶこともあります。
面付けは印刷用紙上にページを配置する作業
面付けとは、製本や折り、断裁を行ったあとに正しいページ順になるよう、印刷用の大きな用紙上に複数ページを配置する工程です。
冊子などを制作するときには、単純に1ページ、2ページ、3ページの順で印刷用紙に並べるとは限りません。
製本後のページ順を考慮した配置が必要になります。
そのため、本格的な印刷工程で行われる「面付け」と、一般的なプリンターの「割付印刷」は分けて考える必要があります。
参考サイト
割付印刷と小冊子印刷の違い
割付印刷と混同しやすい機能として、小冊子印刷があります。
割付印刷は複数ページを1面に配置する
割付印刷では、2ページや4ページなど複数のページを1枚の用紙の片面に配置します。
通常はページ順を大きく変更せず、指定した順番で並べます。
小冊子印刷は製本後のページ順を考慮する
小冊子印刷では、印刷した用紙を折ったり綴じたりしたときに正しいページ順になるよう、ページが自動的に並べ替えられます。
そのため、単純に複数ページを縮小する割付印刷とは目的が異なります。
冊子を作りたい場合は、通常の割付印刷ではなく小冊子印刷や面付け機能を利用するほうが適しています。
割付印刷と両面印刷の違い
割付印刷と両面印刷も、それぞれ異なる機能です。
割付印刷は片面に複数ページを配置する
割付印刷では、1つの印刷面に複数のページを配置します。
例えば「2ページ/枚」に設定すると、用紙の片面に2ページ分が印刷されます。
両面印刷は用紙の表と裏を使用する
両面印刷は、1枚の用紙の表面と裏面の両方に印刷する機能です。
割付印刷と両面印刷は組み合わせて利用できます。
例えば8ページの資料を「2ページ/枚」に設定し、さらに両面印刷すると、1枚の用紙に表裏合わせて4ページ分を配置できます。
そのため、8ページの資料なら理論上2枚の用紙に収められます。
割付印刷がうまくできない原因
割付印刷を設定しても、思ったような仕上がりにならない場合があります。
その場合は、アプリケーションとプリンターの両方の設定を確認しましょう。
プリンターやドライバーが対応していない
プリンターやプリンタードライバーによっては、割付印刷の機能が用意されていない場合があります。
ただし、プリンター側に機能がなくても、PDF閲覧ソフトやWordなどのアプリケーション側で複数ページ印刷を設定できることがあります。
割付設定が重複している
アプリケーション側とプリンタードライバー側の両方で割付設定をすると、意図した以上に縮小されたり、ページ配置がおかしくなったりする場合があります。
割付を設定するときは、どちらで処理しているのか確認しましょう。
用紙サイズの設定が合っていない
原稿サイズと実際に使用する用紙サイズが一致していないと、予想以上に縮小されたり、大きな余白ができたりする場合があります。
A4やA3など、原稿サイズと出力用紙サイズの両方を確認しましょう。
印刷方向が適切でない
割付数や原稿の向きによっては、縦向きより横向きのほうが見やすくなる場合があります。
特に縦向きの文書を2ページ並べて印刷する場合は、用紙を横向きにするとページを大きく表示できるケースがあります。
割付印刷をするときの注意点
割付印刷は便利ですが、設定によっては資料が読みにくくなることがあります。
印刷前の確認が重要です。
文字が小さくなりすぎないようにする
1枚に配置するページ数を増やすほど、1ページあたりの表示サイズは小さくなります。
4ページや8ページ、16ページなどに設定すると、本文や注釈が読みにくくなる場合があります。
実際に読むための資料では、文字サイズを確認して割付数を決めましょう。
細い線や小さな図表に注意する
ページを縮小すると、細い罫線やグラフ、小さな文字などが見えにくくなることがあります。
図面や表、細かなデータを含む資料では、過度な割付を避けたほうがよい場合があります。
印刷プレビューを確認する
割付印刷では、通常印刷と比べてページの配置やサイズが大きく変わります。
印刷前に、ページ順、用紙の向き、余白、文字サイズ、割付数などを確認しましょう。
大量に印刷する場合は、最初に1部だけ試し刷りして仕上がりを確認すると失敗を防ぎやすくなります。
印刷の割付は用途に合わせて設定しよう
印刷における割付とは、基本的には文字や画像、図表などを紙面上に配置することを意味します。
一方、パソコンやプリンターでは、複数ページを1枚の用紙にまとめる機能を「割付印刷」と呼ぶことがあります。
割付印刷を活用すれば、用紙の使用枚数を減らしたり、資料をコンパクトにまとめたりできます。
ただし、割付数を増やすほど文字や画像は小さくなるため、見やすさとのバランスが重要です。
また、「割付」「面付け」「小冊子印刷」は似ているようで目的が異なります。
通常の資料を複数ページまとめて印刷したい場合は割付印刷、冊子として製本する場合は小冊子印刷や面付けというように、目的に応じて適切な設定を選びましょう。
以上、印刷における割付とは何か、意味や設定方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
